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初級のつまずきポイントを知るためのおすすめ本
おすすめの本は『くらべてわかる 初級 日本語表現文型ドリル』です。
初級のつまずきはネイティブには難しい
すでに養成講座を始められた方や、教壇に立った経験がある方ならおわかりかと思いますが、初級のつまずきポイントはネイティブが頭で考えてもなかなか難しいんですよね。
もちろんそれを頑張って自力で考えてみるのも良い勉強です。
でも、そうは言ってもお忙しい方が多いでしょうから、本を参考にして基本のつまずきポイントを手っ取り早くインプットしてしまうのが得策です。
もちろんインプットするだけでは授業にならないので、二つの違いをどうやったら定着させられる授業ができるのか考えなくてはいけません。
授業準備にササッとポイントを確認できるこの本は1冊持っておいて損はありません。
中級に入る前の「初級復習」に最適
「もし学習者が使うなら」という点で書きますが、結論から言うと、初級学習者には向きません。
なぜなら、文章ばかりで、かつ初級学習者が十分できる語彙のレベルではないからです。
本の表紙にも書いてありますが、中級に入る直前、あるいは入った直後の「初級復習」に最適なのではないかと思います。
そして、自習用というよりも、わからないときに確認するための文法書のような役割を果たしてくれる本なのではないかという感じです。
おすすめのポイント
〇〇VS〇〇はすごく大事
たとえば、「〜かもしれません」(みんなの日本語32課)の導入をするときに、この文型だけを導入してしまう先生もいらっしゃいますが、実は一つだけ教えてもちゃんと使えるようにはならないんですよね。
読んだり聞いたりしたときには、なんとなくの理解でも文脈から意味がわかるのですが、書いたり話したりするときには間違ってしまうことも。
ちゃんと使えるようになるには「〜と思います」(みんなの日本語21課)など、似た意味の文型の復習も交えながら確認していく必要があるのです。
見開きで1テーマ⇨見やすい
「くらべてわかる 初級 日本語表現文型ドリル」を試し読みしていただけるとわかると思いますが、見開きで1テーマになっています。 (青文字クリックでアマゾンのページに飛びます)
左側に説明、右側に例文と練習問題という構成になっています。
電子版がある【Kindleがおすすめ】
日本語教師の方は海外にお住まいの方も多いかと思いますが、海外だと日本の書籍は簡単には手に入らないんですよね。
しかし、『くらべてわかる 初級 日本語表現文型ドリル』なら電子書籍が出ているので、クリックだけですぐに読めます。
しかもKindleで買えば300円ほど安いです。
Kindleはお手持ちのタブレットやスマホに無料の公式アプリをダウンロードすることで使えるようになります。
もし、お持ちでない方は、Fireあたりの安いタブレットでも十分なのでぜひ検討してみてください。
イマイチなポイント
載っていない文型もある
間違えやすい文型だけを載せているため、載っていない文型もあります。
全文型が載っていたらただの文法書になってしまうので、これはこれでいいのですが、たまに「あれ、載ってない!」となることがありますね。
練習問題が少ない
練習問題はちょっと少ないかな〜と思います。
1テーマに対し、5問程度。
もし授業で使うとなれば、先生が別に問題を作る必要がありそうですね。
自習で使う場合でも、問題が少ないとなかなか定着できないので、あくまでもササッと確認するための本になりそうです。
中級用もおすすめ
中級用もおすすめです。
こちらは上級学習者が中級の復習としてつかうにはもってこいの本です。
もちろん、中級を教える先生にもおすすめ。
中級になると一層、微妙な意味の違いの文型が出てくるのでつまずきやすくなります。
まとめ:『くらべてわかる』は初級の先生必携
最後に本記事の内容をまとめます。
今回ご紹介したのはこちら。
『くらべてわかる』のポイント
- 初級のつまずきポイントがわかる
- 〇〇VS〇〇の形で55テーマ
- 見開きで1テーマ
- 電子書籍版もあり
- 中級もあり→くらべてわかる中級日本語表現文型ドリル