本記事を書いている人
今回は日本語教師の強みの作り方についてお話ししていきます。
ただし、まだ日本語教師の基礎ができていないなという人は「【日本語教師】教え方が下手だと思う人は ”マネ”をすべし」を読んで、基礎を身につけながら強みを作っていくことをおすすめします。
そもそもなぜ強みが必要なのか
そもそもなぜ強みが必要なのでしょうか?
なぜなら、平等と思えるこの社会も実は競争社会だからです。
残念ながら弱者は強者に淘汰されていくんですね。
とはいえ、誰でも強みは作ることができますし、既に実は持っている、なんていうこともよくあります。
「〇〇なら誰にも負けない」と思えるものを一つは作って、替えの利かない存在になりましょう、という話です。
日本語学習者は日本語を学ぶという点だけ共通していますが、様々なバックグラウンドを持っているので、一見日本語教育に関係のないことでも強みになったりします。
本記事をお読みいただいた方は自分が持つ強みをどのように日本語教育に生かせるのか、という点を是非考えていただければなと思います。
強みの作り方
今までの経験を書き出してみる
自分の強みが分からない人は今までの経験を書き出してみましょう。
たとえばこんな感じ
- 前職での経験
- 転職を○回した経験
- 学生時代の活動の経験
- 日本語教育を研究した経験
- 育児経験
- 海外に住んでいた経験
- 結婚・離婚した経験
- etc
書き出してみた中で、周りの先生があまり経験していないことがあるはず。
それがあなたの強みです。
一見日本語教育に使えそうもない強みでも、たとえばこんな感じで役立つこともあります。
転職が多い⇨日本のいろいろな業界を知っている
育児経験がある⇨子供を母国に置いて留学する人もいる
離婚経験⇨留学中に離婚に悩む留学生もいる
得意なことを書き出してみる
今度は得意なことを書き出してみましょう。
こちらも適当に思い浮かんだことをどんどん書いていきます。
- ゲーム
- 料理
- 旅行
- グルメ
- 家具
- パソコン
- 映画観賞
- スポーツ
- etc
書き出したら、その中でも他の人に教えられるくらい得意なことはないか考えてみましょう。
一つでもあればそれがあなたの強みです。
なければ強みを作る
強みは作るには専門家にならないといけないのかと思っていらっしゃる方もいますが、実はそうでもありません。
他の人よりもちょっとだけできればいいのです。
ちょっと勉強したり継続したりするだけである程度の強みになります。
具体的には下記のような感じです。
- 〇〇の教え方(読解・聴解・語彙・文法など)
- 日本語以外の科目の知識(数学や総合科目など)
- イラスト
- 時事問題
- 英語(外国語)
授業準備で忙しい中だとは思いますが1日1時間の勉強を1年も継続すれば大きな強みになります。
強みを掛け算する
あまり強みと言えないものでも複数の強みを掛け算すると大きな強みになったりします。
たとえば、一つの仕事の経験は短いけど、たくさんの仕事を経験してきた人。
一つ一つの職歴は大した強みになりませんが、「この業界もあの業界もよく知っている」というのは大きな強みです。
僕の大学時代の教授が言っていた話ですが、 「金融の専門家はたくさんいる、不動産の専門家もたくさんいる。でも両方に詳しい人はほとんどいない。だから、皆さんも掛け算で複数の専門領域を持ちましょう。」
専門領域が複数ある人は強いですね。
強みを生かしている事例
強みを生かして活躍している事例をいくつか紹介します。
小論文の授業に強いS先生
S先生は小論文の授業が強いんですね。
長年ご自分で研究されていたようで、独自のノウハウをもっていました。
それを他の教員にシェアしたり、見学させてくれたりしたので周りにとってもプラスですね。
学生たちも「小論文のことならS先生に聞こう」という感じで、組織全体にとってプラスの強みを持っている方でした。
ベトナム語が堪能なY先生
ベトナム語が堪能な先生がいました。
普段の授業ではもちろんベトナム語は禁止にしていますが、授業以外ではベトナム語で困りごとに対応したり、相談を聞いたりしていました。
学生たちと遊びに出かけるときは完全にベトナム語でしたね。
学生たちは授業中に悪いことが言えないのでY先生の授業は嫌だと冗談で言っていましたが、学生たちからはかなり信頼されていた先生でしたね。
日本のビジネスについて詳しいT先生
T先生は日本のビジネスに詳しく、幅広い業界について知っていました。
僕が勤務していた学校では就活をする学生はいませんでしたが、将来の職業を決める上で、日本にはどんな業界があり、その業界の特徴、平均収入などかなり具体的なところまで知っていました。
過去に某大学のキャリア室で勤務した経験があったらしく、学生たちの将来の相談にも乗っていましたね。
他にも一般常識や時事問題の授業を担当されており、とても楽しそうな授業をされていました。
カウンセラー兼日本語教師のK先生
K先生はカウンセラーとしての経験をお持ちで、日本語の授業をしながら留学生の心のケアをもするという学校内で二足の草鞋を履く先生でした。
元気そうでも異国の地で生活するというだけでストレスを抱えてしまっている留学生もいます。
そんな学生たちの心のサポートをされていたので、学生たちにとってはとても心強い存在でした。
学校としてもそうやって二足の草鞋を履ける存在というのは貴重なので、是非とも採用したいところです。
まとめ:強みを作って唯一無二の存在になれ
日本語教師に限った話ではありませんが、自分の強みを作ると社会の中で活躍しやすくなります。
「〇〇だけは絶対に負けない」
研究者や専門家、オタクと呼ばれる人たちはある強みを極限まで追求されている人たちなんですよね。
そこまでちょっと、という方でもある程度の強みを複数掛け合わせただけで唯一無二の存在になれます。
そして強みは1年くらい継続すればある程度強みと言えるレベルにはなります。
自分にはまだ強みがないなという人はぜひ1年間の継続で強みを作ってみましょう。