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「日本語教師になりたい!」
これから日本語教師を目指す方にぜひ知っておいてほしい「日本語教師の現実」を今回はまとめてみました。
建前抜きで日本語教師の現実をお伝えしていきます。
これから国内の日本語学校で働こうと思っている方は参考にしてみてください。
日本語教師の収入の現実
日本国内で働く専任講師の平均年収は391万円です。
非常勤講師は平均時給2,058円で、一般的な日本語学校の基準が760時間以上と決まっているため、毎日授業に入ったとすると、年収は約165万円ほど。
ちなみに、日本国内で給料をもらっている人の平均年収は436万円なので、国内平均よりはだいぶ下になってしまいます。
日本語教師の収入については「日本語教師の年収っていくら?【現役教師76人に聞いてみた】」を参考にしてみてください。
収入が低い理由は日本より物価の安い国からの留学生がほとんどで、学費を上げようにも上げられないからです。
また、文化庁の基準で学生あたりの教員数なども決まっているため、なかなか人件費に経費を回すことができない学校が多いのです。
収入が少ないため、アルバイトや副業などで生活している先生もいます。
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仕事内容の現実
専任は授業以外にもいろいろある
国内の日本語学校で働く日本語教師の仕事は授業だけではありません。
授業以外にも次のような仕事を担当します。
- 生活指導
- 進路指導
- 寮やアパート関係の仕事
- ビザ関連の仕事
留学生の勉強から生活、ビザなどあらゆることをサポートするのが仕事なので、時には病院に行ったり、時には警察に行ったりもします。
授業だけでなく留学生のサポート全般ができるので、僕としては毎日刺激的で楽しいです。
ただ、もし授業だけやりたいなら非常勤講師として働くことをおすすめします。
専任の仕事内容については「日本語教師専任の仕事内容【メリットとデメリットあり】」もお読みいただくと理解が進むはずです。
非常勤講師は授業中心
先にも述べたとおり、非常勤講師は日本語の授業がメインです。
ただし、授業のほかに試験の実施や作成、進路指導などといった事務仕事をすることもあります。
その場合、時間給で給料が支給されることがほどんどです。
そのほか、授業以外に学校行事などには参加しなければならないこともあります。
その場合も時給で給料が出ます。
労働時間の現実
休みはカレンダーどおり・勤務時間も定時
日本語教学校はカレンダー通りのところが多いので、土日祝日は休みのところが多いです。
さらに、時期にもよりますが基本的に残業はそれほど多くはありません。
授業準備は残業にはならない
ただし、定時に仕事が終わっても、まだまだ授業の準備は終わりません。
余裕のある時には勤務時間中に授業準備を終わらせられるときもありますが、忙しい時は持ち帰りです。
僕の感覚ですが、日本語教師になりたてのころは1時間の授業準備に3〜4時間かけることもありました。
1週間に8時間ほどでしたが、他の事務作業をしながらだと、定時では到底終わりませんでしたね。
場合によっては土日も授業準備をしたりしました。
ただ、どうすれば準備時間を減らせるか、事務作業を減らせるか考えながら行動していくことで、仕事はかなりラクになるはずです。
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留学生たちの現実
勉強よりバイト優先の学生もいる
日本に来ている留学生の中には、勉強よりバイト優先の学生もいます。
そうなってしまう理由はたいてい下記の2つに分かれます。
- 稼いで母国に送金したい
- 自分の留学費用を支弁する
前者の場合は平均月収5万円のアジア各国から留学してくる学生たちが日本でアルバイトすれば10〜20万稼げるわけで、アルバイトを優先したくなる気持ちは分からなくもありません。
中には、留学仲介の会社から日本に行ったら稼げるという話を聞いて稼ぐために日本に来たという学生もいます。
後者の場合は、どうしても自分の夢を叶えたいけど、留学費用を支弁してくれる人がいないので、自分でなんとかする、という人ですね。
その心意気は感心するところがありますが、働きすぎて不利益を被ってしまう場合も。
入管法では許可を受ければ28時間以内に限りアルバイトをしてもいいことになっています。
毎週28時間働いたとすると時給1000円計算で月収12万円ほど。
これでは学費と生活費を支弁することが難しいので、自己支弁の学生はどうしても労働時間を超えてしまいます。
もちろん、法令違反状態の学生を見逃すことはできないので、厳しく注意したり、ひどい場合は退学にすることも。
ただ、最近は出入国在留管理庁の審査も厳しくなっており、28時間を超えて働く人が少なくなりつつありますが、僕が働く学校でもまだまだいます。
そういった学生たちを指導していかなければならないので、ストレスがたまることもありますが、ビザが更新できなくなっては意味がないのでしっかり指導していかなくてはいけないんですね。
日本が好きではない人もいる
実は日本にいるからといって皆が日本のことを好きなわけではありません。
たとえば、先ほどご紹介した、ただ稼ぐために来ている留学生の中には日本が好きではない人もいます。
僕が出会ったことがある”日本が好きではない留学生”下記の理由でした。
- ただ稼ぎたいから
- 親から逃れたい
- 親の指示
- 母国で大学に進学できなかった
そのため、授業では皆が日本に興味を持っているというていで授業をすると、そう言った学習者が辛くなってしまうこともあるので要注意です。
日本語教師の嬉しい現実
学習者の0⇨1を一緒に喜べる
皆さんは自分の子どもができないことができるようになったらどう感じますか?
実は日本語教師も同じような喜びを感じられるのです。
最初は日本語がゼロだった学習者が1〜2年勉強して変な冗談まで言うようになって、卒業式に堂々と日本語で挨拶をしている姿を想像してみてください。
僕は涙が止まりませんでしたね。
やりがいは他のどの職種よりも感じられるはずです。
外国文化に詳しくなれる
学習者の皆さんがいろいろ教えてくれるんです。
僕はそのおかげでベトナムと中国について詳しくなりました。
地理はもちろん、伝統料理や文化、祝日の名前なんかもどんどん覚えちゃいます。
中国へは行ったことがないのにかなり詳しい自信があります。
日本にいながら国際交流できるのって素晴らしいと思いませんか?
これは外国で教えている日本語教師も同じで、現地の人しか知らないような食堂や料理なども教えてくれます。
普通に外国に住むよりもかなり詳しくなれますよ。
厳しい現実。でも素晴らしい職種。
ここまで読んでいただいて「日本語教師」という職業はいかがでしたしょうか?
過酷そうな仕事であるかのように思った方もいるかもしれませんが、実際はノルマもないし、自分自身がいろいろ学べるし、教えるスキルを身につければ世界中どこでも職がみつかるし、僕自身は最高の職業だと思っています。
お金がなければ副業すればいいし、時間がなければ時間をうまく調整していけばいいですね。
日本語教師という仕事をしていきたいなら、マイナス面の環境をなんとか変えていくなどの工夫が必要かなと思います。
僕はそれくらい価値のある職業だと思います。
もし少しでも日本語教師に興味を持っていただけたなら、ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座を見てみると日本語教師になるまでの具体的な道筋がイメージしやすいです。
オンラインでの説明会も行っているようなので気軽に参加してみましょう。
その他の日本語教師の資格については「【保存版】日本語教師になるには?資格取得方法3つをご紹介」で詳しくご紹介しているのでチェックしてみてください。