本記事を書いている人
現在、文化庁では日本語教師の国家資格化について議論が進められています。
本記事では2021年3月現在の最新の情報をもとにわかりやすく解説していきたいと思います。
国家資格「公認日本語教師」の要件
2021年3月23日に行われた「日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(第4回)」の資料で上記のようなイメージ案が発表されていました。
これをまとめると公認日本語教師を取るには3種類の方法があります。
公認日本語教師を取る方法
- 「大学の日本語教師養成コースを修了」→「筆記試験2に合格」
- 「日本語教師養成講座を修了」→「筆記試験2に合格」
- 「筆記試験1と2に合格」→「指定機関」で実習
いずれの場合も国籍や年齢は関係ないようなので、学歴が高卒の人や外国籍でも公認日本語教師の資格が取れるということになります。
日本語教師が国家資格化する目的
日本語教師が国家資格化しようとしている目的は下記2つのことが挙げられています。
日本語教師が国家資格化する目的
- 日本語学習者の多様化に対応するため
- 日本語教師の質を確保するため
1つずつ解説していきます。
目的1:日本語学習の多様化に対応するため
現在、日本に住んでいる外国人数がどんどん増加しています。
出入国在留管理庁の統計を見ると外国人数の増加が明らかですね。
留学生が増加しただけでなく、日本で働くためのビザが新しく作られたり、条件が緩和されたりしたことから日本に住む外国人が急激に増加しています。
さらに、そういった人たちが日本に定住したり、子供や家族を呼び寄せたりすることで色々な背景を持つ外国人が日本に住むようになります。
もちろん日本語の勉強も必要になるため、日本語学習者が多様化するわけです。
日本語教師はこれまで日本語学校で教えていくことを前提に日本語教育を学んできた方が大多数なので、国家資格化して多様化する日本語学習者に国全体として対応していかなければならないんですね。
目的2:日本語教師の質にバラつきがある
現状の日本語教師養成講座では座っているだけで資格取得ができたり、日本語教育能力検定試験を持っていても実習経験がなく知識だけになってしまっている場合があります。
そういった現状を解決するために、国家資格を作って質を向上させていきましょう、ということです。
資格を撮るためには筆記試験だけでなく、実習なども必要とされているようなので、今より質のバラつきは減ることが予想できますね。
国家資格「公認日本語教師」はいつからできるのか
現在のところ2024年以降、全面移行するスケジュールで進められています。
具体的にはまだ決まっていませんが、法案の提出から試験の実施機関の設置、準備機関などもあることからまだまだ時間が必要そうに思われます。
国家資格「公認日本語教師」で給料は変わるのか
結論から言うと、日本語教師国家資格になってもと給料・待遇は変わりません。
なぜなら、国家資格ができても日本語教育の利益が生まれるシステムは変わらないからです。
とは言いつつも長い目で見ると日本語教師の地位が向上して給料もよい方向に動くかもしれません。
たとえば、将来的に日本語学校の運営に補助金が出るなどの仕組みができる、などですね。
日本語教師の国家資格化は、今の日本語教育を改善していかなければならないという意識の表れなはずです。
国家資格「公認日本語教師」の経過措置
経過措置がどうなるのかはまだ決まっていません。
2021年3月23日に行われた日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議では経過措置については触れられませんでした。
僕の予想としては事実上経過措置はないようなものになるだろうと思っています。
公認日本語教師に登録できる人は「養成講座修了or大学で主専攻・副専攻+検定合格」の人になるのではないかと思います。
養成講座と大学での勉強だけの人は別で試験を受験し、検定のみの人は実習を受けなければならないということになるでしょう。
日本語教師の資格取得は今やっても損はしない
公認日本語教師の全体像が見えない中で日本語教師養成講座や日本語教育能力検定試験に向けてなかなか動けない人もいるかもしれません。
でも、迷っているなら今すぐに動き出すべきですね。
なぜなら、日本語教師が国家資格になっても採用条件や法務省で定められている条件はすぐには変わるとは考えにくいからです。
また、公認日本語教師がいつ始まるのかまだはっきりしていませんし、案がそのままボツになる可能性もあります。
いつ始まるかわからないものを何年も待つよりも今すぐ行動して、早く日本語教師になってしまいましょう。
養成講座ならヒューマンアカデミーと日本語教師アカデミーでまとめて資料請求してしまいましょう。
日本語教育能力検定試験なら独学でも勉強できますが、範囲が膨大なので通信講座のほうが効果的に学べます。