本記事を書いている人
今回は中国の大学で日本語教師をされているMayさんに「中国の日本語教師の働き方とは?生活はどう?」をテーマに書いていただきました。
中国に行ったことがない人でも「中国ってこんな感じなんだ〜」と簡単にイメージできる記事になっています。
僕自身も今回初めて中国の日本語教師についてお伺いしましたが、「中国、良いかも!」と思ってしまいしたね。
これから中国で日本語教師をしてみたい人は参考にしてみてください。
自己紹介
May
中国在住
大学で日本語教師
国内外の学校を経験こんにちは、Mayです。中国のとある大都市の大学で日本語教師をしています。
夢だった日本語教師になりたくて25歳のときに勤めていた会社を退職。
日本語教師養成講座に通い、日本語教師になりました。
養成講座を出てすぐは日本の日本語学校で働いていましたが、海外にも行ってみたいと思っていたので、1年ほどその日本語学校で働いたのち、青年海外協力隊に応募。
運よく合格し、日本語教師隊員として青年海外協力隊で2年間、活動しました。
その後大学院に入ってみたり、また海外で教えたりして、2019年から中国で教えています。
中国の日本語教師の給料・コマ数・待遇
中国の大学の日本語教師は、アジアの中ではかなり待遇がいいです。
さらに言うと、担当コマ数と給与だけ見れば、日本の日本語学校で働くよりも良いかもしれません。
わたしの場合、日本の日本語学校で働いていた時は、月収は20万円に届きませんでした。
さらに学校が休みの期間は無給になることもあって、ほかのアルバイトもしていました。
現在はメインで働いている大学での授業があるのは週2日~3日で、毎月入ってくるお金は日本の日本語学校勤務時代を軽く超えます。
さらに夏休み・冬休み期間中も給与が支払われています。
給料・諸手当
わたしの場合は、給料は8千元(約12万円)です。
それに加えて、家賃手当の8千元(約12万円)もいただいています。
家賃手当は実際の家賃がいくらであっても、満額いただけるので、毎月入ってくるお金は1.6万元(約24万円)から所得税をひかれた金額になります。
そのほか、卒業論文の指導や、試験の作成などをすると、その手当てが支給されます。
担当コマ数・勤務日数・勤務時間
90分を1コマとして、週に6コマ担当しています。
ちなみに現在は月曜日に2コマ、木曜日に4コマです。
大学はこちらの要望を聞いて、授業の日をまとめてくれますが、この希望を聞いてくれるかどうかは大学によります。
中国の日本語教師の授業内容
授業は学校、大学によって異なるので、以下はあくまで一例として参考にしてください。
わたしの担当する授業は主に「作文」と「会話」です。
同じ授業を担当している先生たちと授業について相談して、授業内容を揃えることもありま
すが、基本は教師個人の裁量に任されています。
中国の日本語教育、特に大学の場合は、1つのクラスの学生数が多いことが特徴の1つです。
「会話」でも20人以上、「作文」やそのほかの授業になると30〜40人なんてことがザラにあるようです。
なるべく一人ひとり、細かく見てあげたいところですが、なかなかそうもいかないところが悩みどころです。
会話の授業
大学独自の会話の教科書があるので、大筋はそれに沿って進めています。
場合によっては日本で出版された教科書などもあわせて使っています。
「話す」が苦手な学生もいますが、それより「聞く」が苦手な学生が多い印象です。
それは学生たちも自覚しているので、「話す」の前に「聞く」から身につけましょう…ということで、会話のリスニングなどから授業をはじめたりしています。
作文の授業
こちらも大学独自の教科書があります。
しかし、会話と同じくほかの教材のほうがわかりやすいと思ったら、ほかの教材を使用して説明したりしています。
「作文」なので、2~3回に1回は、テーマを出して作文を書かせています。
サブテキストとして愛用しているのは「留学生のためのここが大切 文章表現のルール」です。
そのほか、学生の書いた作文を見て、間違いやすい文法項目の確認と練習などしています。
中国で日本語教師をするにあたって大事なこと
中国はコロナになる前から、年々外国人に対するVISAの要件を厳しくしているので、とにかく渡航~働き始めるまでの手続きが本当に大変です。
とくにVISAを取得するまでの日本での手続きに関しては、大学側もよく把握していないことがあるので、自分で調べて何とかしなければなりません。
救いは情報が多いことです。
中国に渡航する方は多いので、中国渡航に関する情報をまとめたブログなどはいろいろあります。
Twitterなど駆使して情報を自分で集め、根気よくやればなんとかなります。
中国以外の国で働く場合もおそらくそうだと思いますが、海外で教える場合は、とにかく事前の情報集めが鍵になると思います。
最近は大学で教えるには大学院、修士以上の資格が必要になるケースがほとんどです。
さらに条件のよい求人は人づての紹介で回っていることが多いので、人とのつながりを作
っておくことも重要のような気がします。
中国と日本の生活で違うところ
わたしには、同じ時期に中国の大学で日本語教師をすることになったAさんという知人がいるのですが、Aさんとわたしとで、「中国での生活」の感想が全然違うので、面白いなぁと思っています。
Aさんとわたしの違いは、ずばり海外での経験。
Aさんは海外に住むのがはじめて、わたしは中国が4か国目です。
しかも以前住んでいた国は中国より発展の遅い国でしたので、中国はすごく生活しやすいし、何なら東京と同じかそれ以上に便利なのでは?と感じています。
一方のAさんは、毎日が衝撃の連続だったそうです。
そんなAさんも、今では「中国便利!」と言っていますので、たいていの方は半年もすれば慣れて、便利だと感じていただけるのではないか、と思います。
1:スマホがないと生きていけない
日本でいう「PayPay」のようなスマホ決済が、完全に市場を支配しています。
それでなければ、支払いを受け付けてもらえないほどです。
中国のスマホ決済は2つあります。
wechatペイ(微信)とアリペイ(支付宝)です。
日本でも使えるので、そのマークを見たことがある方もいるかもしれません。
本当に、これが命。
ほかにも、生活の中でスマホを使うことがとにかく多いので、電話の契約をするまでは生きた心地がしませんでした。
電話番号さえ手に入れてしまえばこっちのものです。
スマホだけでなんでもできるので、本当に便利です。
2:トイレには苦労する
中国だけに限りませんが、まずトイレに紙を流せません。
便器の横にあるごみ箱に紙を捨てます。慣れるまでは嫌かも。慣れればどうってことはないです。
また、トイレに備え付けの紙がないことが多いので、紙を常に持ち歩かなければなりません。
それに、「きれいなトイレ」も少ない。
よく行く場所では、どこに使えるレベルのトイレがあるのか、把握しておくことが大切です。
特に公共施設(手続き等で行かなければいけないところ)のトイレは汚いです。
最近の日本じゃまず見ない汚さです。20年前の日本の高速道路のサービスエリアより汚い。
今の若い方には通じないかも…。
もちろん、中国も日々発展していますので、年々きれいなトイレが増えていると思います。
10年ほど前にも、中国に旅行に来たことがあるのですが、その時よりはトイレがきれいになっていました。
たとえば、上海のような大都市にある日系デパートのトイレは日本のそれと遜色ないです。行くたびに感動します。
よくある質問
質問1:中国の食事は日本人に合いますか?
合います。
ピンキリですが、おいしいものは本当においしい。
日本食レストランもいたるところにあります。
質問2:中国語は勉強しておいた方がいいですか?
来る前に勉強しておくに越したことはないですが、わたしは中国語ゼロ初級で中国に来
ました。
ただ、来てから語学学校を見つけて通っています。
わたしの住む街は、日本の企業の駐在の方なども多く、日本人向けの中国語学校もあります。
日本語が話せるネイティブの先生が、マンツーマンで教えてくれます。
この街で生活している先生たちなので、生活のことなども教えてもらえますし、中国語を学ぶことも、日本語を教えるうえでも勉強になることが多いので、メリットが多いです。
来てからでもいいので、中国語を学ぶこと自体は強くお勧めしたいです。
質問3:中国の治安はどうですか?
治安はとてもいいです。
治安に関しては、ほぼ不安なく過ごしています。
もちろん、多少は気を付けていますが、日本と同じレベルの危機意識を持っておけば大丈夫だと思います。
おまけ:副業もやってます
ここまでを読んでいただければわかる通り、大学での授業は週に2日~3日です。
時間が空いているので、実は他の大学でも、授業を持っています。
また、個人でオンラインレッスンも行っていて、中国外の生徒さんとzoomを使った個人レッスンをしています。
大学としては、副業をされるのはあまりよろしくないということになっていますが、たいていの
先生が副業を持っています。
暗黙の了解になってはいますが、あまり大っぴらにするのはよくないので、副業についてはこのくらいで勘弁してください~
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本記事を書いている人 日本語教師7年目 副業エンジニア 年齢:30歳 Twitter:@Senrijp 副業1:オンライン日本語教師 副業2:Webライター 副業3:ブログ 副業4:イラスト制作 副業 ...
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おわりに:中国で日本語教師として働く
中国はもっとも日本語学習者の多い国で、働けるチャンスもたくさんありますね。
僕自身もいつかは中国で働いてみたいなと思っています。
昔のイメージや反日の報道などであまり良くないイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、いろいろな方から話を聞く限り、あまり心配することもないのかなと。
これから中国でチャレンジしたい人はぜひこの記事を参考にしてチャレンジしていってもらえたら嬉しいです。
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