本記事を書いている人
「日本語教師はやめたほうがいい」
そんな話を聞くと不安になっちゃいますよね。
実際に僕もこれまで何度も言われてきました。
正直言うと、かなり不安に思いながら養成講座に通い、就職活動を始めました。
でも、実際に日本語教師になってみると「やめたほうがいい」というのは日本語教師という仕事の10%ほどしか見えてなかったように思えます。
今回はそんな経験から「日本語教師はやめたほうがいい」と言われ悩んでいる人の力になれるよう、僕の考えをまとめてみました。
「日本語教師はやめたほうがいい」と言われている人、またはそう思っている人は読んでみると考え方が変わるかもしれません。
日本語教師はやめたほうがいいと言われる理由
まずは「日本語教師はやめたほうがいい」と言われる、よくある理由についてまとめていきます。
理由1:給料が低い
確かに日本語学校の給料は低いです。
「日本語教師の年収っていくら?【現役教師76人に聞いてみた】」の記事でもご紹介していますが、一般企業と比べるとかなりの差です。
専任ならまだしも、非常勤として採用されるケースのほうが多いです。
非常勤講師だけの収入では到底一人で生計を立てることは難しいですね。
海外でも同じで給料が低い国の方が多いです。
日本より物価の低い国で教えることが多いため、生活に困ることはあまりありませんが、貯金するのはなかなか大変でしょう。
理由2:日本語教育は非正規雇用で支えられている
日本語教育業界は非正規雇用で支えられています。
非正規雇用で支えられているということは、日本語教師を目指しても正規雇用になるのは難しいということになります。
実際に僕が勤務している学校でも非正規雇用は正規雇用の3倍でした。
正規雇用になりたくてもなれない人もいます。
非正規雇用だと収入が不安定になるので生活がちょっと厳しくなりそうですよね。
理由3:日本語教師はキツい
授業準備を含めると日本語教師の労働時間はかなり長くなってしまっています。
最初の頃は1時間の授業をするのに10時間くらい準備に費やしていました。
7年目の今でも4時間の授業準備に2時間近くはかかってしまっていますね。
授業を良いものしていこうと思えば思うほど時間はどんどんかかっていき、下手すると土日が潰れてしまうこともありました。
理由4:ステップアップには修士が必要
日本語学校なら学士でも十分ですが、ステップアップのために大学等で働くとなると修士以上が必要です。
しかし、2年という時間とお金を大学院のために使える人は限られてくるので、そう簡単にはいきません。
しかも修士を出たからといって、必ず大学で働けるわけでもありません。
働けたとしても非常勤講師であれば、経済的には厳しくなってしまいます。
やめたほうがいい理由は日本語教師の一部分
ここまで読んで「日本語教師ってヤバい業界なんじゃないか」と思った人もいるかもしれません。
でも、実はこれって日本語教育の一部分にすぎないんですね。
僕は5年以上日本語教育業界に携わってきてこの業界の良いところも悪いところもいろいろ見ることができました。
確かに先にあげたようなマイナス点に目が行ってしまいがちですが、本当はもっともっと良いところもあるんですね。
しかも、最近だと日本語教師の仕事も多様化しつつあるので日本語学校以外の日本語教師も増えてきました。
そのため、先にあげたような「日本語教師はやめたほうがいい」と言われる理由はだんだんと少なくなってきているのです。
日本語教師は働き方を選べる
日本語教師はいろいろな働き方ができるという点ではとても魅力的。
たとえば下記のような働き方があります。
日本語教師の働き方
- 海外で働く
- 自分のペースで働く
- 副業しながら働く
一つずつ解説していきます。
働き方1:海外で働く
日本語教師は日本語を学ぶ国ならどこでも働ける可能性があります。
ビザを取りやすいのもかなり魅力的です。
海外でこんなにビザが取りやすい仕事なんて日本語教師の他にはありません。
海外で働いてみたい人にとって日本語教師という選択肢はかなり有力な選択肢なんじゃないかと思います。
働き方2:自分のペースで働く
定年退職後や子育て中でも働けるのも日本語教師の魅力の一つです。
スーパーなどでパート勤務してもせいぜい時給1000円前後ですが、日本語教師なら時給2000円ほどになります。
毎日半日働くよりも日本語教師として働いた方が収入が高いのは間違いありません。
出勤日数も週1回から選べます。
それでいて、やりがいのある仕事というなら最高の環境とも言えるのではないでしょうか。
働き方3:副業しながら働く
副業しながら働いて少ない収入を補うという方法もあります。
ちなみに僕はこれで生活をしています。
忙しいと言われる日本語教師ですが、時間の使い方次第では副業する時間を取ることも可能です。
僕は1週間30時間ほどは副業に当てられています。
月5万円ほどなら思ったより簡単に稼げるのでチャレンジしみるのもありです。
日本語教師の副業についてはこちらでご紹介しています。
多様化する日本語教師の活躍の場
日本語教師の仕事は多様化しています。
いまや活躍の場は日本語学校だけではありません。
一般企業やオンライン、フリーランスで活躍する日本語教師もかなり増えてきました。
1つずつご紹介していきます。
企業の中で外国人社員をサポートする
最近では企業内日本語講師が増えつつあります。
近年増えつつある外国人労働者の日本語をサポートする仕事ですね。
今はまだ外部講師に委託することが多いですが、今後、外国人労働者が増加すれば正規雇用として採用されることも増えるでしょう。
たとえばIT系企業でエンジニアもできるし、外国人労働者の日本語教育もできるし、みたいな感じですね。
求人サイトのまとめはこちら
オンライン日本語教師
新型コロナウイルスで全世界的にオンラインの需要が高まったことにより、2020年に入ってからオンライン日本語教師が増えています。
自分で学習者を募集している人もいればオンラインスクールに登録して教えている人もいます。
オンラインスクールでも自分で報酬を決めるところと、経験年数などによって給料が決められているところがあるため、収入が気になる方はチェックしておきましょう。
オンライン日本語教師については当ブログでも紹介しているので参考にしてみてください。
フリーランス
最近、急増してきたのがフリーランスという形です。
日本語学校で非常勤講師をしたり、オンラインレッスンをしたり、企業から日本語レッスン案件をとってきたりなど、複数の仕事をするような形態です。
フリーランス日本語教師は日本語の授業以外だと下記のような仕事があります。
- 日本語教師養成講座講師
- マナー講師
- やさしい日本語講師
- 日本語教師セミナー講師
- 日本語教育関連書籍の執筆
- 日本語教育教材の販売
- 日本語教師メディアの運営
まとめ:自分に合った日本語教師を選べる
今回の記事で僕が伝えたかったのは、日本語教師は雇用形態や働く場所などいろいろな選択肢があるということ。
「日本語教師はやめたほうがいい」と言われても、実際は天職だと感じている人もたくさんいます。
経験しておけばスキルの一つになります。
個人的にはやってみて損はない仕事だと思うので少しでも多くの方にチャレンジしてもらえたら嬉しいです。
少しでも興味を持ってくれた方はまずは日本語教師になる方法についてぜひチェックしてみてください。