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今回は留学生のアルバイトについて詳しくご紹介していきます。
日本語学校の教職員の方だけでなく、留学生を雇用される事業主の方、アルバイトをしている留学生の友だちがいる方など、周りに留学生がいる方は是非知っておいて欲しい内容です。
ちなみに、今回の情報は実際に僕が入管職員に直接聞いた話に加え、入管のホームページなどから持ってきています。
留学生はバイトができるのか【結論⇨できる】
「できる」と書きましたが、実は留学生は学業をするために日本に来ているので、原則働くことは認められていません。
しかし、多くの留学生がアルバイトをしていますよね。
なぜ留学生がアルバイトができるのかというと、「資格外活動の許可」(入管法第19条)というものがあるからです。
詳しくは入管のホームページで解説されているのでご確認ください。
「留学以外の活動をしてもいいですよ」というもので、アルバイトや報酬をもらう活動ができるようになります。
ただし、そこにはいくつかの制限があるため、今回は詳しく解説していきます。
留学生はどんなところでアルバイトできるの?
基本的にはいろいろなところでアルバイトができます。
しかし、一部禁止・制限されるアルバイトがあるので、まずはその点から紹介していきます。
留学生は禁止されているアルバイト
留学生は風営法にかかわる場所でのアルバイトが禁止されています。
具体的に言うと、下記のようなところです。
- 接待を伴うカフェやバー(ソープ、ヘルス 、キャバクラなど)
- 照度10ルクス以下のカフェやバー
- カップルバーやハプニングバーなど
- 麻雀・パチンコ屋など
- ゲームセンター、ダーツバーなど
- ラブホテル
ちなみに、上記のような場所で働くのは職種にかかわらず禁止になっているので、ラブホテルの清掃やキャバクラのキッチンなどでも違反になります。
接待はダメだと知っていても、料理を作るだけだったり、掃除するだけだったりの場合は知らずに働いている場合もあるので要注意です。
よくわからなければ、何だか怪しいところでは働かないほうがいいですね。
留学生がよく働いているアルバイト
参考までに留学生がよく働いているアルバイトを紹介します。
コンビニ
日本語でのコミュニケーションが必要なため、比較的日本語ができて真面目な学生が働くことが多いです。
居酒屋
日本語が堪能な留学生はホールで、まだうまく話せない留学生はキッチンで働いていることが多いです。
惣菜などの食品工場
日本語ができなくてもアルバイトができる事業所が多いため、日本に来たばかりの留学生が働くことが多いです。
運送業者
宅配便の仕分けなどは日本語ができなくても働ける場合があります。ただし、深夜から朝方にかけての勤務が多くなるため、学業に支障が出ないよう注意が必要です。
アルバイト時間の制限
留学生のアルバイトは1週間28時間以内
留学生のアルバイトは1週間28時間以内に制限されます。
ちなみに入管職員に聞いたところ、1週間のどこを切り取っても28時間以内でないといけないということでした。
たとえば、月曜日から日曜日までで見ると28時間以内でも、下記のような場合は入管法に違反することになります。
土曜日:8時間
日曜日:8時間
月曜日:8時間
火曜日:8時間
1日の労働時間は入管法では制限されていません。
1日の労働時間が8時間を超える場合は労働基準法に関わってきますので、雇用される事業主の方はご注意ください。
ちなみに、大学や高専などのティーチングアシスタントなどはこの時間に入りません。
長期休暇は1日8時間
校則で定められた長期休暇については1日8時間という制限に変わります。
ここでのポイントは「校則で定められた」というところ。
2019年のゴールデンウィークにあったような祝日10連休や連続した臨時休校などは長期休暇には当たりません。
また、1週間の労働時間については入管法では制限されなくなります。
ただし、1週間40時間を超える場合には労基法により割増賃金が必要になります。
アルバイトの決まりを守らないときの罰則
ビザ更新ができない
ビザ更新ができなくなる可能性があります。
更新できなくなった場合、原則は出国準備というビザに変わります。
期間は30日程度のビザになり、その期間内に帰国しなければなりません。
ただし、これだけで終わればまだ良い方で、ひどい場合には次のような罰金や懲役刑になる可能性もあります。
300万円以下の罰金・3年以下の懲役
入管法第73条により、200万円以下の罰金、もしくは1年以下の懲役、またはその両方が科せられる可能性があります。
さらにこれが継続して行われているものだとされれば入管法70条第1項第4号により、300万円以下の罰金、もしくは3年以下の懲役、またはその両方が科せられる可能性があります。
退去強制(強制送還)
罰金・懲役だけでは終わらず、最終的には退去強制が命じられる場合があります。
退去強制を受けた場合、原則として5年間(2度目なら10年間)は日本への再入国ができなくなりますが、実際はビザ(在留資格)を取るのが難しくなるため、永遠に日本に戻ってこられなくなる可能性もあります。
ちなみに退去強制が命じられても、すぐに帰国できるわけではなく、しばらくは入管管轄の収容所に入ることになります。
まとめ:留学生のアルバイトには気をつけるべし
留学生のアルバイトには気をつけましょう。
せっかく夢を持って日本にやってきても一生を棒に振ってしまいかねません。
留学生本人はもちろんのこと、学校の教職員、雇用主、みんなが意識していきましょう。